テニスの大阪なおみ選手が「(五輪開催に対して)率直に言って確信がもてません。」とBBC記者に対してコメントした動画ですが、このように新型コロナウイルスが世界的に流行している状態のなかで、ひとりのアスリートに開催の是非を求めることには少し無理がありますね。
いよいよ東京五輪は、7月23日開催まで、残り二ヶ月を切ったところで中止との判断が下されないと言うことは、あくまで個人的な予想ですが、このまま予定どおりに東京五輪は開催される可能性が高いのではないかと思っています。
バッハ会長が東京五輪について「(開催に向けては)いくつかの犠牲を伴わなければならない。」と発言しており、コメントを聞く限り、たとえば無観客などの前提条件つきなどの制限、あるいはアスリート、関係者へのワクチンの義務化?などを設けた上で、予定どおりに開催する見通しなのだと自分は感じました。
ワクチンを接種した人だけが、東京五輪に参加ができて無観客の中で試合を行い、テレビ放映のみで観戦する方法であれば、たとえ、東京が緊急事態宣言であっても、世界の五輪をテレビで観戦する人にとっては問題がないということではないか? もし、東京で多少の感染拡大が発生したとしても、バッハ会長の言ういくつかの犠牲という想定の範囲内なのかもしれない。
むしろ、緊急事態宣言で街に人がいない状態であれば感染拡大は起こりにくいという読みもあるかもしれない。もしこのまま、緊急事態宣言が延長されたままで、ワクチン接種を切り札として、大々的に接種を進めて東京五輪開催に突入する可能性は大きい。
現に飲食業や飲酒を伴う店は休業させられているのだが、プロ野球、相撲、演劇などは中止にならず、また、観客の人数制限で開催されていることからも、スポーツ、興行の開催については前向きで、人数制限をした観戦は、問題がないのだという流れの世論形成をしているのだと思う。
東京都オリンピック・パラリンピック事務局のHP の中にある開催都市契約2020 の中の「開催都市契約(日本語訳)」 の中を少し見てみた。
その中で、東京五輪についての開催、権利、請求の保証などは、第9条「IOCに対する請求の保証と権利放棄」、第66条「契約の解除」、第87条「準拠法と争議の解決:免除特権の放棄」 を見てみると詳しく書いてある。
あたりまえではあるが、主催者のIOCに開催、中止の権利があって、日本が開催の可否を決めることはできず、また、開催の中止かどうかにかかわらず、それらに伴って発生しうるあらゆる損害、賠償など、IOCに請求できないこと(免責)になっている。
だから、IOCが世界的な新型コロナウイルスが感染拡大する中で、仮に開催するとの判断をした場合は、ホスト国である日本としては、全力で安心、安全な東京五輪を開催する義務があり、日本側から一方的に開催の放棄を言い出すことはできない事情がある。
仮に五輪を開催した場合、日本側の受け入れ対応の不手際で各国の選手たちに新型コロナの感染被害が発生した場合、どういったオペレーションで対応するのか? ひとつ対応を誤れば外交問題ともなりかねず、万全の受け入れ態勢で対応しなくてはなるまい。
そして、何よりも一番不思議なことは、本来は東京五輪を新型コロナ感染拡大のなかで行う意味や是非について、もっと国民の中で議論が盛り上がらないとおかしいのですが、まるで思考の停止あるいは、政治不信からくる失望、あきらめが起こっているのか?、いろんなことに無関心であることが一番怖いなと思う今日この頃ですね...